2015年10月23日金曜日

清水エスパルス J2降格 経営優先でチームは内部崩壊 当然の結果だよね

 Yahooニュースに

清水エスパルス、J2降格の真相。発端は5年前の「事件」

という記事が出ていた。そこそこ核心をついた記事だった。

 1997年にエスラップコミュニケーションの経営破綻により一度はチーム消滅の危機に陥った清水エスパルス。 その危機を救ったのは地元企業鈴与だった。 1999年には磐田とチャンピョンシップを県内で争うという黄金期を迎えたが、とうとうJ1で優勝することはなかった。

 Jリーグの規約では、3年連続で赤字経営の場合ライセンスの取り消しがある。 それまで地元の期待を得て無節操にお金を使っていたところからどう経営していくかということがよく関係者の中で話合われていた。 「選手を育てて他のクラブに売る」というのも一つだったが、2009年シーズン終了後の移籍係数の撤廃によりそれもかなわなくなってしまった。

 2000年以降チームの成績は中位から下位に落ち、2005年に地元の期待を託され健太監督の登場になる。初年度は最下位に沈むこともあったが、最終節を待たずに降格を免れた。 それでもその時は最終節に向ってサッカーの内容もよくなっていたし、天皇杯は決勝まで駒を進めた。翌年に繋がるサッカーができていた。2010年にはシーズン当初から優勝を狙ってチームの強化をして夏までは首位を走る力を持っていたが9月以降に失速して6位に沈んだ。 健太体制で3度目の天皇杯決勝も敗れてしまった。
 
 Yahooニュースで5年前といっているのはこの健太体制最終年になった年のことで、チームのレジェンド輝の自由契約だった。Jリーグの契約はいつも問題になるが、シーズン中の11月に契約更新が行われる。ここでの自由契約はチームの指揮に大いにかかわる。

 清水の経営も、優勝をめざし過去最高の経費をかけていたのだが、賞金を手に入れることができず赤字に陥る。 そして高額になる選手の契約が不調におわり大量の選手の放出になる。 岡崎もこの年にドイツに渡ることになるが、移籍金は0円だった。 移籍金が発生したのは本多の5000万だけだったような気がする。

 正直なところ、2011年は降格も覚悟で臨むシーズンだった。 地元密着のチームで内部事情に詳しいサポーターも多いことから、チームに嫌気がさす人も多く入場収入も前年から30%も落ち込むことになった。 それでも秋には勝ち点が40を超えて降格する心配がなくなり、就任したゴトビは一旦は評価が高かった。 

 しかし清水のサポーターが好むサッカーとは程遠いものだった。 また、小野や高原などの加入と離脱、アレックス(豪)のシーズン途中の移籍とかあって毎年のように選手が変わって全く上澄みのないチームになってしまった。 このチームはいったい何を目指しているのだろうか?まったく理解出来なかった。 チームに近い関係者に聞いても当時の社長は収支のことだけでチームはゴトビに丸投げしているとしか言わなかった。

 個人的にも清水はもう終わったという感じだった。 ささやかな抗議のつもりで20年近く加入していた後援会も2013年のシーズン途中で脱会した。

 常に若手を起用するゴトビは若手選手にはカリスマ的な存在だったが、ベテランとの溝は深くチームは完全に崩壊していたようだ。 昨年の電撃的な監督交代は地元レジェンドの大榎の起用だったけれど、プロの監督経験がない人間をシーズン途中で起用して大丈夫なのだろうか? という疑問のほうが大きかった。 

 その後のチームの戦績は目を覆いたくなるような結果だった。試合の内容もひどいものだった。大榎の監督は一時的なつなぎで新監督を迎えて今年は戦うものと思っていたが、続投というのは正直ビックリした。 どうやら地元のレジェンドということで、地元企業の協賛が多く収入の多くを占める広告費の伸びが良かったというのが、経営判断だったようだ。

 まあ、チームの存続を第一目的としているチームなのでわからないではないが、どういうサッカーをしてどうやって地元を盛り上げるかが、地域社会におけるプロチームの役割なのだからもっと夢を与える存在であってほしい。

静岡市の役目
 12年前の2003年に清水市と静岡市は合併したのだが、清水市という名前が消えて、清水エスパルスというブランド力も落ちているのも事実。 また、清水がホームとしている日本平スタジアムもJリーグの基準を満たしていない。 今年の市長選で東静岡駅の空き地の利用について選挙の論戦の一つに挙げていたが、再選した市長は箱もの行政はしないということで再利用については棚上げしている。 県知事からはサッカースタジアムをという意見もあるが県都構想でいがみ合っている県と市が同じテーブルにつくとは思えない。

 しかし、今回の清水のJ2降格は経済損失数十億と言われていることを考えると、もっと静岡市は真剣にこの問題に取り組んだほうがいい。 


まあ、こんな状態でサッカーで再び地域を盛り上げようという感じにはなっていないので、清水が再びJ1に戻ってくるには3年はかかるでしょう。 2度とないかも?