2018年7月4日水曜日

日本のW杯終わる 世界で戦えるGKの育成を

ポーランド戦の敗戦を無駄にしないためにも、ベルギー戦は勝たなければいけなかった。
 
 ベルギー戦前半、立ち上がり15分は日本ペースだったが徐々にベルギーにサイドを使われるが、日本の右サイドはアザールに翻弄されながらも酒井宏樹、原口が食らいつていた。左サイドは乾がメルテンス、ムニエにボールが入る前にプレスを掛けられる位置にポジションをとってケアしていた。 乾はエイバル入団当初守備が全く駄目だったが、昨シーズンはずいぶん上手くなったと思った。 後半の1点目はそんな乾のパスカットから生まれた。 柴崎の絶妙な縦パス、原口の長い距離のランニングとシュート前のキックフェイントで名手GKクルトアもタイミングがずらされた。

 4分後、再び乾から大迫へのクロスをコンパニーにカットされるが、セカンドボールを拾った香川が乾へパス(香川は浮いたボールの処理が上手い、相手が寄せきれないでついてくるところで裏にパスを出す、日本代表で好調な香川は久しぶりにみたような気がする)、乾は香川が作ったスペースでのミドルシュートを鮮やかに決めた。クルトアの茫然とした表情が印象的だった。

 今まで、力まかせにミドルシュートを打つ選手はいたが、乾のようなコースをしっかり狙えてミートする日本の選手はいなかった。乾の場合は走りながら足元で吸収するトラップができるのでワンタッチでボールを受けられる。しかし左サイドでも右足でのタッチが多いので、守る方も足を出しやすいので、中盤に降りてボールを受けて前にボールを進めるときに引っかかるケースが多い。 1,2戦目でもそういうシーンが5回くらいあった。相手から遠い左足がもっと使えればもっと危険な選手になれる。 このポジションは中島も優れているのでW杯には連れて行って経験を積ませたかった。

 2点目の得点シーンが52分というのも時間的にはちょっと早すぎたような感じがした(ちょっと贅沢だが)。逆に3点目が取れれば試合を決めることができるとも思ったが、その前にフェライニ、シャドリを投入されてしまった。 特に高さがあるフェライニへのマークには守備が混乱していた。

 失点は日本の最大のウィークポイントから生まれてしまった。CKキックからのヘディングされた浮き球を川島がパンチするが、それがペナルティエリア内の乾の前にこぼれて、乾ははっきりしない高い浮き球を上げてしまう。酒井宏樹が寄せきれずフェルトンゲンに頭で中に入れられてしまう。 川島としてはクロスを想定していたが、ボールを見送ってしまう。クルトアだったら、なんとかボールを外にはじき出していただろう。その前に浮き球のパンチはもっと遠くにできていただろう。
 この失点がすべてだった。 ここさえ守り切れていれば日本は3点目を狙いながらも、守り切ることができただろう。 すべてはこの一点で流れが変わってしまった。

日本にとっては世界で戦えるレベルのGKの育成が必要
 川島が悪いというのではない、テストマッチで中村、東口がチャンスを掴めず互いに失点してしまった。彼らのミスではないにしろ、ここで奇跡的な守備をしていればどちらかが正GKで本戦に立っていたことだろう。 最終的に経験のある川島が選ばれただけ。 
 JFAもGKの発掘や研修をやっているが、なんせ海外と違ってGKは守備の要としてしか見られていないから、優秀な人材が育っていない。 また、ハリルが言っていたように大型のGKが日本にいないのも最大のウィークポイント。 U-20には大きなGKを揃えているが、先日のツーロン国際を見る限りまだまだ経験不足で2022のカタール大会に間に合うかどうかだろう。 また、所属するチームによっても成長はちがってくる。 Jリーグも悪くはないが、厳しい海外で活躍できているかどうかの経験はこういう国際舞台では絶対に必要になってくる。 攻撃の起点になり世界の舞台で戦えるGKの育成は日本サッカー界の急務。