2014年7月23日水曜日

2014W杯 ブラジル大会 個人的総括 

 守備が強く、ポゼッションからでも、速攻からでも、セットプレーからでも得点を獲ることができるが順当?(南米大会で欧州は優勝できないというジンクスはあったけれど)に優勝した大会でした。 
 そんなドイツも、2010のW杯、2008のEUROではスペインの前に何もできないで敗れ去っていたので、スペインvsドイツの対戦カードがどこかであったらと少し期待していたが、スペインがカウンターのチームにグループリーグで敗れ去ったのはさみしかった。

マラドーナになれなかったメッシ

 今大会では、”走るネイマール”に対して”走らないメッシ”という報道が多かった。メッシもサンチャゴベルナベウでハットトリックをしたころはもっと守備をしていたし、ロナウジーニョもチームにいたころだったからパサーとしての役割が多かった。バルサでポゼッションをして最後のブロックをかわすのにどうしてもメッシの力が必要になるとメッシはそのための力を温存するようになった。
 今回のアルゼンチンもその最後の得点を獲る切り札としてメッシを使い、まわりが徹底してフォローしていた。 特に、ディマリアの献身的な運動量は素晴らしかった。もし、ディマリアが決勝に出ることができていたら、アルゼンチンが優勝していたかもしれない。なんせ攻められながらも決定機はアルゼンチンのほうが多かった。

 だが、メッシを軸にチームを組み立てる作りはもう無理かもしれない。 選手としてもっと脂ののったこの時期でさえ、走らない選手をそのまま中心としておくのは よほどの監督でなくては無理だろうし、理想とするチーム戦術を持つ監督にとってはメッシを中心選手として考えることは相当な足かせになってしまうだろう。 メッシが中盤、ボランチとして活躍できれば問題ないだろうが、とうていボランチは無理。せめてイニエスタくらい守備ができればもっと使い道はあるだろうが、今のままではスーパーサブや得点を獲ったら交代という使い方になるだろう。
 アルゼンチンとしてもこれは同じことで、マラドーナのような扱いで優勝できなかったメッシで次も臨めるほどW杯は甘くない。

結局は負けないためのチーム作り

 私を含め多くの人が、今大会は”日本のサッカー”を世界に見せたいという気持ちで臨んだ大会だった。 ここで多くの勘違いをしていたことを大会に入って知ることになった。
一番の問題は守備 親善試合でも簡単に先取点を取られることが多く、本大会ではカウンターで失点という場面があまりにも多かった。 吉田、内田はバランスを取りながら我慢していたが、長友はもうイケイケで、今野はミスも多かった。 守備的MFも最後までメンバーを固定できずにて、CBの二人の負担は相当なものだった。
 失点したらそれ以上多く点をと取ればいいという発言も多かったが、本大会はそれほど甘いものではなかった。

民放・NHKの放送はつまらなかった

 今大会が個人的に盛り上がらなったもう一つの原因は、民放・NHKの放送だった。赤字覚悟の放送で文句を言うのも申し訳ないが、実況のアナウサーのレベルは最低レベルで常に絶叫しているだけ、フジテレビも普段は五月蠅い青島氏のほうがよっぽどサッカーをしっているぶんよかった。 試合の終わった後の分析や解説も過去2大会はスカパーがかなり掘り下げて討論していたが、民放・NHKは中身が薄かった。今大会の解説陣に戸田、森岡氏が入ったことはかなり新鮮。 民放は盛り上げよう盛り上げようという意図はわからないわけではないが、あまりにもにわか的な感じがして本当につまらなかった。常に視聴率を気にして番組を作っている彼らからしたら当然かもしれないが、今更野球と同じような実況をされてもしらけるばかりで、もっとプロを養成してほしいものです。

岡野俊一郎と金子勝彦が語る日本サッカー

 古いサッカーファンであれば、ちょっと懐かしい名前の2人の登場です。三菱ダイヤモンドサッカーは当時のサッカー少年にとっては驚愕の放送でした。
 この2人の対談は、今の日本サッカー界の問題を提起していててそれなりに納得できます。 現在は(その2)までですね

リンクを張っておきます。
  

 色々な意味で日本サッカー協会自体が変わる必要性があるのですが、まったく改革が進んでいないのが現状。今回技術委員に宮本恒靖氏が選出されるようですが、ちょっと責任が重いのではないかと心配です。
 いろんな対応が場当たり的で本当に人材がいないのですね。